ワイシャツのボタンホールに付く紙粉対策について

まいどです。クリーニング店専門の印刷会社の石井(社長)です。

タグを付けたワイシャツのボタンホールが、そのタグの色がついたようになったこと、ありませんか?

この原因と対策を当社も長年やってきましたが、その対策の方針が固まりましたので報告します。

まず、「ワイシャツのボタンホールが、そのタグの色がついたようになる」その原因について、そしてなぜ、最近、そんなことがよく起こるようになったのかから、説明します。

「ワイシャツのボタンホールが、そのタグの色がついたようになる」その原因は、タグの色がついたワケではなく、タグの紙の粉がボタンホールの糸の中に入っていき、その蓄積で着色したように見える現象です。

特にこちら↓↓↓のメーカーさんのシャツで問題がよく発生するので、シャツを10枚程度購入して調べた所、他のメーカーに比べてボタンホールの糸がギザギザで粗いです。「こりゃ、紙の粉も入っていきやすいなぁ!!」そんな感想のシャツでした。

では、いつ紙粉がボタンホールに入っていくのか?洗いの工程なのか?プレス工程なのか?

これの実験も何度か繰り返しましたが、洗い工程を何度繰り返しても、紙の粉はボタンホール入っていきません。どうやらプレス工程で紙粉が入っていくようです。だいたい10回くらいプレスをすると、紙粉の蓄積で着色したようになります。

但し、ここで不思議な現象がおきるんですね。10回プレスした時、「緑色」の紙は着色したように見えるのですが、他の色の紙では着色したように見えません。でも、顕微鏡で見ると、全ての色のタグで紙粉の蓄積はあります。

そこで3つの対策を考えました。

1)紙粉の蓄積がわかりやすい緑色タグの販売をなるべく控える

2)緑色のタグの色を変え、紙粉の蓄積が見えにくくする

3)紙粉の蓄積を押さえるタグの付け方をお客様に伝える。

1)はすぐに出来たので、お客様にご連絡を差し上げ、なるべく使わないように伝えました。

2)の色の変更には、実は3年もかかりました。緑は少し色を変えたぐらいでは、なかなか問題は改善しませんでした。そしてついに完成した色、それが当社が去年の秋より販売している新色「やなぎ色(緑)」です。

ま、この色を「緑」と言って販売しているのもどうかと思いますが、安心感が全然違います。この新色の緑で今後もお付き合いください。

それと、「ボタンホールに付く紙粉対策」はあるルールを決めるだけで、簡易的な対策ができます。

ワイシャツのボタンホールに色が付くのは10回、プレスしたくらいからです。一方、ひとつのワイシャツが持つ洗濯回数は20回くらいです。ということは、2倍、持てばいいということですよね。

そこである大手クリーニングさんで、ワイシャツの付けるボタンホールの位置を「偶数付は上から一番目」「奇数月は上から二番目」に変更して実験して頂いたところ、この問題はピタっとなくなりました。

ちょっとメンドウかもしれませんが、お客様のために、ワイシャツの付けるボタンホールの位置を偶数月、奇数月で変更してみませんか?

今日はタグの話をお届けしました。

本日も最後まで読んで頂き、ありがとうございます。

石井文泉堂 石井康裕


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